公開:2017-3-11 > 更新:2017-9-10 海外FX業者
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最近、海外の日本向けエロサイトを運営するアメリカ人の関係者が (日本で) 逮捕されたというネットニュースを観て、ふと、日本の金融当局が海外のFX業者に対してなにやら警告を発していたことを思い出し、日本人ユーザーが利用している海外FX業者が違法な存在なのかどうか自分なりに調べてみました。

 

illegal image

 

海外FX業者ユーザーにはお馴染みの、関東財務局のホームページに載っている、

 

『警告書の発出を行った無登録の海外所在業者』

 

のリストですが、

 

「警告を発した..」

 

という表現からして、なにやら違法なことをしているあやしい業者リストのような印象を受けます。

 

そこで、以前に、日本人 (正確には正規の日本国内居住者) が、海外FX業者を使って取引することに何か問題があるのか調べてみたことがあるんで、その時に導き出した自分なりの結論について書いてみようと思います。

 

まず、財務省のホームページを見ると、

 

1.内外資本取引

 

企業や個人は自由に海外の企業や個人と資本取引、決済等を行うことができます。

 

例えば・・・

 

・海外に預金口座を開設し、その口座を通じて海外での取引の決済を行ったり、通信販売の代金を払うこと

・海外との資金の貸付・借入 ・居住者間の外貨建て取引 (企業間でのドル建て決済等)等

  ※引用: 財務省ホームページ 『外為法の主な内容 (経済制裁措置以外)』

 

と書いてあるんで、日本の居住者が海外の金融機関で口座を開いて資産を運用するための資本取引をおこなうことについては何ら問題がないということになります。

 

ところが、関東財務局のホームページでは、

 

海外に所在する業者であっても、日本の居住者のために又は日本の居住者を相手方として金融商品取引を業として行う場合は、原則として、金融商品取引業の登録(我が国の「金融商品取引法」に基づく登録)が必要です。登録を受けずに金融商品取引業を行うことは禁止されています(金融商品取引法違反として罰則の対象)。

  ※引用: 関東財務局ホームページ 『海外に所在する無登録業者とのFX取引等にご注意ください』

 

となっています。

 

「原則として…」という部分についての情報が見つからなかったんですが、たとえ海外に所在する金融業者であっても、日本居住者を対象に金融商品取引業務をおこなう場合は、日本での「金融商品取引業への登録」が必要で、違反すると違法行為として罰則の対象になると書いてあります。

 

しかし、これでは上で引用した財務省のホームページに表記されている、

 

企業や個人は自由に海外の企業や個人と資本取引、決済等を行うことができます。

 

例えば・・・

 

・海外に預金口座を開設し、その口座を通じて海外での取引の決済を行ったり、 (後略)

 

という部分と矛盾することになります。

 

なぜかと言うと、たとえば、日本の「金融商品取引業への登録」をおこなっていない香港のHSBC銀行や、アメリカのシティバンクで日本居住者が口座を開設して資産を運用することについて、

 

財務省は、

 

「できる」

 

と言っているにもかかわらず、

 

関東財務局は、

 

「違法行為として罰則の対象である」

 

と言っていることになるからです。

 

さらに、この問題について別の視点から考えてみます。

※話を単純にするために、やや極端な例で書きます。

 

たとえば、海外発送にも対応してる日本の超有名ネットショップがあったとして、

 

→ (自国で売ってる商品の品質が信用できない) 中国人からの注文が殺到する

→ ネットショップのオーナーがうれしい悲鳴をあげる

→ しかし、言葉の壁があり、うまくコミュニケーションが取れない

→ 焦るオーナー

→ ビッグチャンスをゲットすべく中国人の社員を雇う

→ 爆買いが爆増する

 

この状況に対して、中国の通商当局から、

 

「貴社は、我が国人民を対象として違法にビジネスをおこなっているため、我が国の『プーアルジャスミン法』に基いて警告する」

 

などと言ってきたとしても、

 

「そんなワケの分からないことを言う前に、ウチに中国人から注文が殺到してる理由を考えろ!」

 

となります。

 

同じように、世界のFX業者のなかでもひときわ評価の高い有名業者があったとして、

 

→ (日本の規制や業者に不満な) 日本人が有名海外FX業者に殺到する

→ 有名海外FX業者がうれしい悲鳴をあげる

→ しかし、言葉の壁があり、うまくコミュニケーションが取れない

→ 焦る社長

→ ビッグチャンスをゲットすべく日本人の社員を雇う

→ 業績が30倍になる

 

この状況に対して、日本の金融当局から、

 

「貴社は、我が国国民を対象として違法にビジネスをおこなっているため、我が国の『金融商品取引法』に基いて警告する」

 

などと言ってきたとしても、

 

「そんなワケの分からないことを言う前に、ウチに日本人客が殺到してる理由を考えろ!」

 

となります。

 

つまり、日本の国内法にもとづいて他国で認可を受けている企業活動に対して罰則を適用できるのかという問題です。

 

話を戻すと、上で書いたように、日本居住者が香港のHSBC銀行で口座を開設して、利率の有利な豪ドル定期預金 (FX取引) をした場合でも、日本の『金融商品取引法』に反する違法行為になるはずですが、冒頭のリストには海外の有名銀行は1社も記載がありません。

 

海外の銀行絡みで違法云々の話を聞いた覚えがあるのは、『ライブドア事件』で、一躍、脚光を浴びた、スイスの名門プライベートバンクの 『クレディ・スイス』 ですが、よくよく公開情報を見てみると、金融庁のホームページに、

 

クレディ・スイスの海外拠点による日本における銀行業の無免許営業に関する同行に対する要請について

 

という件名で、

 

当庁は、クレディ・スイス(本店:チューリッヒ、スイス連邦)プライベートバンク部門(日本国外の拠点)の元行員による日本における営業活動について、下記IIで述べる違法な営業活動を確認した。銀行法第1条第1項の趣旨に則り、同行に対し、3月15日、以下の観点から法令等遵守態勢及び内部管理態勢の整備・強化等について要請した。

 

との記載があり、その根拠が、

 

1. 当庁は、クレディ・スイスのプライベートバンク部門が、日本人富裕層を対象に営業を行うための組織(「ジャパンデスク」と称している)を日本国外に複数設置し、所属の行員を日本に出張させるなどの活動を行い、その中に、預金の受入れの勧誘などの活動が含まれていたことを確認した。このような営業活動は、本邦銀行法第4条1項違反(銀行業の無免許営業)にあたると認められる。

 

2.  具体的には、2003年、クレディ・スイス香港支店の元行員が日本に出張し、見込み顧客の事務所を訪れ、当該顧客に対し、香港支店における預金の受入れの勧誘を行い、当該事務所において預金口座開設書類に署名をもらうなどの口座開設のための手続きを行ったことが確認された。 (中略)

 

3. このような違法な営業活動が行われた主な原因は、以下に述べるような法令等遵守態勢や内部管理態勢上の問題にあると認められる。すなわち、クレディ・スイスにおいて、日本でのプライベートバンク業務に係る具体的な規定・マニュアル等が策定されておらず、役職員に対する我が国法令の正確な理解やそれに基づく十分な指導・教育が行われていなかったこと。日本における行員の営業活動管理も適切に行われていなかったこと。

 

となっています。

 

日本の法律 (銀行法) への露骨な違法行為に対し、

 

「法令等遵守態勢及び内部管理態勢の整備・強化等について要請した

 

ということなので、このケースでも罰則は適用されていません。

 

ということで、このような背景をもとに自分なりの結論をまとめると、

 

「日本の居住者が、日本の「金融商品取引業への登録」をおこなっていない海外所在の金融機関や金融サービスを利用する場合は、完全な自己責任となるため、仮に何らかの被害を被った場合でも、日本の法令で定められた保護措置を受けることはできない」

 

ということであって、違法云々の話ではないと考えています。



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