公開:2015-11-25 > 更新:2017-5-17 海外FX業者
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海外のFX業者の宣伝文句で、「約定拒否なし」とか「NDD方式採用」というキーワードが輝いてるのをよく目にしますが、そもそも、ナゼに業者が「約定拒否」などという自分の利益をみすみす逃すようなことをするのか、FX業界特有の仕組みを含めて考えてみました。

 

 

最近、特にお願いした記憶がナイにもかかわらず、

 

「1日10分のカンタンな作業で月に100万円稼ぐ方法」

 

を教えてくださるという、仏様のような親切な方からのメールが爆増中なんですが、そのなかのひとつに、

 

「FXの裏ワザを使って勝率100%で稼ぐ」

 

みたいなのがありました。

 

「裏ワザ」という、あまり見ないタイトルだったんで、とりあえず登録して動画を観たんですが、鬼長えー大作動画を見終わった印象としては、

 

どうやら、

 

「業者間のレートのサヤを利用して両建て取引で利益をあげる手法」

 

みたいな印象でした。

 

個人的に、その商材にはまったく興味がありませんが、このサヤ取りっつー手法自体は、おそらく堂島コメ相場の時代から、今現在まで戦略としてふつうに使われてるやり方で、FX業者間のレート差 (サヤ) になんらかの優位性を発見したのであれば、その優位性を見つけ出せるのは実力だし、それを利用するのはトレーダーとして当然だと思います。

 

ただ、株式や商品先物とFX (先物は除く) は、似てるようで取引の仕組みがまったく違うんで、そのあたりは理解しとく必要があります。

 

具体的には、「取引所取引」と「相対取引」の違いです。

 

株式とか商品先物などの「取引所取引」の場合、トレーダーの相手はトレーダーです。

 

仲介業者は、単純に手数料をもらって客の注文を取引所に流すだけなんで、当たり前ですが、レートは市場で取引してるトレーダーの売買結果で決まります。

 

たとえば、東京商品取引所のガソリン12月限の値段は、どの業者から注文しても同じです。

 

ただ、FX取引の場合、「相対取引」なんで、トレーダーの相手はトレーダーじゃなくFX業者になります。

 

最初はこの違いがよく分からず、FXを現物株や先物と同じように考えてしまいがちなんですが、この「相対取引」を分かりやすくたとえると空港の両替屋みたいなもんです。

 

 icon-angle-right 両替屋 vs 両替したい客

 

の構図で、両替屋としては、いかに自分に有利なレートで両替させるかで儲けが変わってきます。

 

FX業者も同じようなもんで、銀行間でやりとりされてるスポットレートを参考にしながら適当にレートを流して客の注文を受けつけ、利益を上げた客にだけカネを払い戻すというビジネスモデルです。

 

なので、

 

  FXトレーダー vs FXトレーダー

 

ではなく、

 

  FX業者 vs FXトレーダー

 

という構図になります。

 

これが決定的な違いです。 

 

よく言われることですが、相場なんて9割のトレーダーが損する世界なんで、業者はヒャッハーのウハウハ状態です。

 

さらに、業者側としては、客に利益を出されると、それだけ自分の儲けが減るんで、なんとか客の利益を減らそうというインセンティブが働きます。

 

たとえば、120円ぴったしで米ドル買いの注文を出してるのに、イザ約定してみたら120.05円という不利なレートになってたり、サプライズな経済指標が発表された時、損切りのストップロス注文を巻き込みながら殺人的な動きを見せた後、本来のレートに戻ろうとする一瞬の動きをとらえて絶妙のタイミングで発注クリックしてんのに、ナゼか注文が拒否されたりします。

 

あと、業者からしたら、客のストップロスの逆指値注文がどこにあるか全部分かるんで、ワザと瞬間的にレートをズラしてその損切り注文にヒットさせる、いわゆる「ストップ狩り」もやりたい放題です。

 

最悪の場合、なんやかんやとイチャモンをつけて出金を拒否ったりします。

 

「相対取引」である以上は、日本の業者だろうが、アメリカの業者だろうが、火星の業者だろうが仕組みは同じです。

 

上で書いた「裏ワザ」手法も、このFX業者の意図的なレート操作を逆に利用して、瞬間的な不自然な値動きを取りにいく (そういうズルガシコイことをしない業者のレートをフィルターにする) 感じじゃねーかと思います。

 

なので、当然ながら株や商品先物の取引では使える手法じゃありません。

 

FX取引を始めた頃は、

 

「FXってなんで手数料がいらねーんだろ? 業者さん良心的だな…」

 

などとウブいことを思ったりしたんですが、このあたりのFX業界特有の「相対取引」のカラクリが分かってくると、FX業者で取引すんのがバカらしくなってきます。

 

ではナゼ、いまだに無数のFX業者が存在してるのか?

 

日本の場合は、正直いって、まだ「取引所取引」と「相対取引」の違いが、あんまし理解されてないからだと感じます。

 

ただ、さすがに欧米 (特に欧) は、金融に関しては日本よりも数十年進んでて、FX業者の数も日本と比べるとヘタしたら3ケタくらい違うし、トレーダーのリテラシーも高いです。

 

客の不利益になるようなことを平気でヤル業者はフォーラムでフルボッコですし、客が寄り付きません。 なんせ選択肢が多いんで。

 

そういう事情で、欧米 (特に欧) のFX業界はかなり健全化されてるように思います。

 

特に、しっかりしたライセンスを取って、それなりに長い年数生き残ってる業者は、わりかし誠実に経営努力を続けてるハズです。

 

「相対取引」特有の不透明さを消し去るべく、

 

「NDD (Non Dealing Desk) 」

 

つまり、

 

「客の注文をコンピューターが自動的にインターバンク市場に流す」

 

という方式を採用してる業者も多くなってきてます。

 

※この「NDD」には「ECN」と「STP」の2種類の方式があり、さらに、「STP」は「Instant Execution」と「Market Exection」の発注方法に別れるんですが、長くなるんで割愛。

 

このシステムだと、「取引所取引」と同じように、客が利益をあげて取引ロットをデカくすれば、そんだけ業者も手数料で儲かるんで、

 

  業者の利益 = トレーダーの利益

 

で、Win-Winです。 ( ̄▽ ̄)

 

不利な約定をさせたり、ストップ注文を狩り取ったりして客の資金がなくなってしまうとトレードが続行できなくなり、自分たちのクビをしめることになります。

 

まー、実際ホントに「NDD方式」なのかどうかは、「なかの人」しか分かりませんが、少なくとも公式に明言してる業者であれば選ぶ時の目安にはなるんじゃないかと思います。



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